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持続化給付金受給者に対する処分が決定

2021年04月10日 13時16分

JRAの厩舎関係者が持続化給付金を申請、受給していた問題で、4月10日にJRAが検証結果および処分を発表した。発表によると、新たに4名の厩舎従業員が持続化給付金を申請・受給していたことが判明し、受給者は計169名。4月2日現在、副業収入を理由とした2名及び病気療養中のまま休職期間満了に伴い退職した1名を除く166名のうち、返還済が96名、返還手続中が70名となっている。また、JRAが税理士法人の代表者に確認したところ、税理士法人が関与した中央競馬の厩舎関係者の受給申請は114件あり、これらすべてが返還済または返還手続中。その税理士法人と同じグループに属する行政書士事務所が代理申請時に受け取った報酬については、受給申請者にすべて返還済との報告がされている。なお、処分は以下の通り。

◆日本調教師会による調教師への処分 対象者22名(延べ24名 重複含む)
・日本調教師会会員賞罰規則による戒告→調教師3名
・日本調教師会会長による厳重注意→調教師16名
・日本調教師会本部長による注意→調教師5名

◆日本調教師会による厩舎従業員への処分 対象者135名
・厩舎従業員就業規則による出勤停止→厩舎従業員3名
・雇用する調教師による厳重注意→厩舎従業員132名

◆日本騎手クラブによる騎手への処分 対象者13名
・日本騎手クラブ定款による戒告→騎手13名

◆JRAによる厩舎関係者への処分 対象者170名
・日本中央競馬会競馬施行規程第147条第20号による戒告→厩舎従業員3名
・競走担当理事による厳重注意→調教師7名、騎手1名
・栗東または美浦トレーニング・センター場長による厳重注意→調教師15名、騎手12名、厩舎従業員132名

※日本中央競馬会競馬施行規程(抜粋)
第147条 次の各号のいずれかに該当する馬主、調教師、騎手、調教助手、騎手候補者又は 厩務員に対して、期間を定めて、調教若しくは騎乗を停止し、戒告し、又は500,000円以下の過怠金を課する。
(20)競馬の公正確保について業務上の注意義務を負う者としてふさわしくない非行のあった者


JRA 後藤正幸理事長:3月6日の持続化給付金問題に係る記者説明会後、改めて厩舎関係者全員に対する事実確認等を行ってまいりました。この結果、中央競馬の賞金に由来する収入の減少を理由に持続化給付金を受給していたにもかかわらず、虚偽の申告をした者が判明し、これらの者に対して戒告するなど厳正に対処しました。持続化給付金制度の趣旨・目的を逸脱した受給は、社会の良識に欠ける行為であり、今般の事案が中央競馬の信頼に関わる問題となったことにつきまして、お客様ならびに社会の皆様に心よりお詫び申し上げます。この度の問題に対して寄せられたご意見等を真摯に受け止め、お客様や社会からの信頼回復に向けて全力で取り組んでまいります。

一般社団法人 日本調教師会 橋田満会長:先般、持続化給付金の制度の趣旨をよく理解しないまま、安に申請・受給した調教師や厩舎従業員、また厩舎従業員への持続化給付金に関する注意喚起が十分でなかった調教師について、さらに本会の持続化給付金に関する調査に対し誠実に回答しなかった厩舎従業員について、日本中央競馬会と連携し、それぞれの経緯や内容を精査しました。そのうえで、本会の規定等に従って厳正に処分し、再びかかることのないよう厳重に指導をしました。今後、私たちは中央競馬の置かれた立場をよく理解し、社会規範の遵守やモラルの向上を図り、皆様方からの信頼回復に努めてまいります。

日本騎手クラブ 武豊会長:今回の給付金事案について13名の者が当給付金の申請及び受給をしておりました。今回の事案による不適切な申請・受給をしていた当該騎手については、日本騎手クラブの規程に抵触するとして「戒告」の処分を科すこととしました。今後は騎手としてだけでなく社会人として責任を持った行動・判断をしていくよう騎手全員に対しても厳重注意を致しました。また、コンプライアンス強化を目的とした講習会について定期的に実施することも予定しております。競馬サークルの社会的信用を一日でも早く回復することが、今の我々の責務であると考えております。以後このようなことが無いよう努めてまいりますので皆さまのご理解ご支援を今後ともよろしくお願い致します。

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