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「中国対応に関する意見交換会」開催、JRAとHBA

2011年03月21日 21時40分

JRA日本中央競馬会とHBA日高軽種馬農協は3月2日、中国への軽種馬売却に向けた対応を協議する意見交換会を、新ひだか町の静内ウエリントンホテルで開催した。
意見交換会にはJRAから佐藤浩二総括監、田辺博章馬事部長、中舘純一競馬国際化対応会議調査役らが、HBAからは荒木正博組合長のほか、理事、各地区振興会役員など、約70名が出席。中国対応の現状、生産界の中国対応について活発な質疑が行われた。
ARFアジア競馬連盟会長でもある佐藤JRA総括監は、軽種馬の購買欲が高まっている中国について「すでに主要な軽種馬生産国は官民一体となって中国市場に参加すべく取り組みを始めている。むしろ日本は国全体として後手を踏んでいると言っていい。昨年、一気に中国への軽種馬輸出が花を開き、日本産馬への関心が高まった。今が最大で最高、そして最後のチャンス」と挨拶。早急に中国輸出に向けての体制づくりを進めていくことを訴えた。
意見交換会でJRAは、これまでの中国対応への経緯、人材交流事業などの長期展望に立った基本戦略、庭先取引などで中国人が購買した民間馬の動向の報告のほか、JRAやHBAらで構成する海外流通促進委員会といった国内体制の強化、日中政府間協議などの農林水産省の動向、輸出体制の整備といった今後の課題を説明。一方、HBAは中国人購買者を5月のHBAトレーニングセールに招聘するために、輸出入業者の選定、検疫所の確保、検疫の方法、購買代金の決済の仕方、日本産馬やセリ購買の魅力、トレーニングセールの取引状況、輸入許可申請、検疫期間、購買後の取引、購買後のリスクなどを伝える説明会を中国で行い、購買者、販売者双方のリスク軽減を図っていくことを報告した。
出席者は2国間協定による計105日に及ぶ長い検疫期間や、日本よりも厳しい馬パラチフスの検査基準について言及。「国から検疫期間の短縮を働きかけてほしい」「上場馬に馬パラチフスの検査を義務付けることを業務規定に入れるべき」「馬パラチフスに限らず、検査態勢を整備してほしい」「市場は公平。今までの購買者にも目を向け、中国だけに特化すべきではない」など様々な意見が出た。
佐藤JRA総括監は「今は国を挙げて売り込もうという状況。中国が日本産馬に関心を持っている中、少しでもリスクを軽減できるのであれば、あらん限りの力を振り絞ってやるべきではないか。軽種馬産業にとってエポックメイキングな年になると認識していただきたい」と力説。また、荒木HBA組合長は「この情勢を3~5年で、どう乗り越えていくかが我々の試練。国内外に関わらず、快く買っていただくことが商売と思う」と理解を求めた。

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