JRAは7月26日、競走馬理化学研究所(競理研)がリファレンスラボラトリー指定委員会(RLAC)による承認を経て、国際競馬統括機関連盟(IFHA)のリファレンスラボラトリーとして正式に指定されたことを発表した。競理研は、世界的なCOVID-19パンデミックによる渡航制限を受け、RLACの監督下で行われた申請とリモート審査を経て、2021年7月にIFHAのリファレンスラボラトリーとして暫定的な指定を受けていた。
「リファレンスラボラトリー」とは、指定された疾病についての診断や制御に関連した科学的および技術的支援や、専門家としての助言を提供するもの。IFHAリファレンスラボラトリーは、事業規模、資金調達、研究活動、主要ドーピング剤を含む禁止物質の使用を検出する能力などの基準を満たした場合に、IFHA執行協議会の承認を経て指定される。
競理研は1965年に設立された国際的に認定された競馬ドーピング管理機関で、主に尿、血液、毛などの馬の生体サンプルを用いて競馬や国際馬術競技に専門的な検査サービスを提供。また、日本で唯一の馬の薬物検査機関であり、すべてのステークホルダーにとって公平な競走環境を確保するため、日本の競馬の公正性を維持することが主な役割となっている。
RLACのアンドリュー・ハーディング議長:IFHAのリファレンスラボラトリーとして指定を受けるための競理研の努力、勤勉さ、忍耐力を称賛します。COVID-19の発生前から準備を進め、パンデミックによって追加されることとなったプロセスや課題にも着実に対応した点を特に称賛します。私たちは、競理研がIFHAの6番目のリファレンスラボラトリーとして正式に指定されたことを祝福したいと思います。
競理研の安斉了理事長:IFHA の RLAC メンバーの皆様には、IFHA のリファレンスラボラトリー申請において、長らくご支援いただいたことに感謝申し上げます。競理研が指定されたことは、スタッフのチームワークと高い専門性に対して十分な評価をいただけたこと、さらには、日本中央競馬会(JRA)からの多大なサポートがあったことによるものと考えています。今後はIFHAの6番目のリファレンスラボラトリーとして、競馬の発展に一層貢献するとともに、IFHAならびに他のリファレンスラボラトリーと密接な連携を図っていきたいと思います。