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ゼニヤッタ威風堂々の勝利/BCクラシック

2009年11月18日 14時36分

◇BCクラシック(米G1)
11/7 サンタアニタパーク 3歳以上
総賞金454万5000ドル 1着賞金270万ドル
オールウェザー10ハロン(左) Fast(速) 12頭 2分00秒62
1.ゼニヤッタ
牝5 黒鹿毛 123ポンド 米国ケンタッキー産
父ストリートクライ
母ヴェルティジヌー
母の父クリスエス
2.ジオポンティ
(牡4 126ポンド 父テールオブザキャット)
3.トゥワイスオーヴァー
(牡4 126ポンド 父オブザーヴァトリー)
着差:1、1-1/4、3/4
・馬主/モス夫妻
・調教/J.シレフス
・生産/マーヴェリックプロダクション
・騎手/M.スミス
歴史的勝利への期待含みで単勝3.8倍の1番人気に推されたゼニヤッタは、スタート直後最後方を追走。最初のコーナーでマインザットバード(9着)を交わしてポジションを一つ上げたが、バックストレッチ出口でも逃げたリーガルランサム(8着)からは10馬身前後離れていた。迎えた最終コーナー、ゼニヤッタが進出開始。インコースを回って馬群に取り付き、先行勢を射程圏に捉えると、その勢いのままコーナー出口で外へ。直線では外からその前を横切るように伸びてきたトゥワイスオーヴァーを避け、大外へ持ち出された。前を遮るものがなくなった残り1ハロン地点、ついにその末脚が爆発。牝馬らしからぬ力強いストライドで瞬く間に先頭に躍り出ると、大喝采に包まれるゴール板前を駆け抜けた。
2着はG1アーリントンミリオンなど芝G1・4勝のジオポンティ。中団からインを通って直線で抜け出したが、ゼニヤッタの末脚には抗しきれなかった。道中7番手から押し上げた英調教馬のトゥワイスオーヴァーもよく伸びたが3着までだった。3番人気(7.8倍)に推された米3歳馬の代表格サマーバードは中団から最終コーナーで先頭を脅かす位置まで上昇したが、直線で伸び負けて4着。2番人気(4.4倍)の愛調教馬リップヴァンウィンクルは2番手を追走したものの、直線を待たずして後退。失意の10着に終わった。なお、G1フロリダダービー勝ち馬クオリティロードはゲートで暴れ、外傷を負ってスクラッチとなった。
ゼニヤッタが挙げた今回の勝利は記録ずくめ。史上初の牝馬によるG1BCクラシック制覇、前年のG1BCレディーズクラシックに続くBC2年連続優勝(2部門での2年連続優勝は史上初)、名牝パーソナルエンスン を超えるデビュー以来無傷の14連勝(無敗でのG1BCクラシック制覇は史上初)、米調教牝馬の歴代収得賞金レコード(547万4580ドル、約4億9300万円)など、数多の金字塔を一度に打ち立てた。
G1プリークネスSを含む今季8戦8勝の快進撃を見せた3歳牝馬レーチェルアレクサンドラが一歩リードしていた米年度代表馬争いも、今回の快挙で形勢は五分五分。米国では現在、どちらがその座に相応しいかについての議論が大変な盛り上がりを見せている。ゼニヤッタ陣営は今や功なり名を遂げたとして、レース翌日に引退・繁殖入りを発表。米国のみならず、世界中が夢見た“ゼニヤッタ対レーチェルアレクサンドラ”のマッチアップは、どうやら夢のままで終わることになりそうだ。

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