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“ホッカイドウ競馬の星”コスモバルクが引退式、ファンに別れを告げる

2010年05月06日 16時26分

地方競馬所属馬として初めて海外G1を制した“ホッカイドウ競馬の星”コスモバルク(牡9歳、父ザグレブ、北海道・田部和則厩舎)の引退式が5月4日、日高町の門別競馬場で行われた。引退式には、1997年に同競馬場が開設してからの最多入場者数となる2867人のファンが全国から来場。北海道のみならず、全国の競馬ファンに勇気と感動を与え続けた名馬に最後の別れを告げた。
ゴールデンウイーク恒例イベント「春のケイバまつり」開催中だった同競馬場。この日は好天にも恵まれ、開門から多くの競馬ファンや家族連れで賑わった。4レース終了後の午後5時半過ぎ、引退式の会場となったウイナーズサークルにコスモバルクが登場すると万雷の拍手が。「ありがとうバルク」「バルク、お疲れ様」と満員のスタンドから労いの言葉が飛んだ。
セレモニーには岡田繁幸・美佐子オーナー夫妻、田部調教師、五十嵐冬樹騎手、鹿島秀樹厩務員、榎並健史厩務員らが出席。岡田美佐子オーナーに功労馬表彰と高橋はるみ北海道知事からの感謝状が贈呈されたほか、関係者にファンから花束が贈られた。
関係者を代表して岡田繁幸氏は「コスモバルクは400万円で購入した馬で、ホッカイドウ競馬の認定厩舎制度の第1号でした。本来ならホッカイドウ競馬でレースを使いたかったのだが、芝適性があるのでJRAに出走してきた。G1出走回数(27回)が日本一になったのもファンの支えがあったからこそと思っています。五十嵐騎手には無理な注文を言ってプレッシャーをかけてしまったが、シンガポールでG1を勝った際のガッツポーズを見た時は本当に良かったと思った。バルクはこれからは牧場にいるので、いつでも会いに来てください」と挨拶。ウイナーズサークルを取り囲んだ多くのファンに感謝の気持ちを伝えた。
コスモバルクはホッカイドウ競馬が全国に先駆けて導入した認定厩舎制度の適用第1号馬。同競馬所属のままG2弥生賞、G2セントライト記念、G3ラジオたんぱ杯2歳Sを制したほか、クラシック(皐月賞、ダービー、菊花賞)すべてに出走した。さらに適性レースを求めて海外へも遠征。06年にはG1シンガポール国際Cを制し、地方競馬所属並びに日高地区生産馬初となる海外G1優勝馬となった。今年は愛国への移籍が決定していたが、右後肢を骨折したために現役引退が決定。2歳から8歳まで7シーズンに渡る競走生活にピリオドを打った。競走成績は48戦10勝(地方9戦5勝、JRA35戦4勝、海外4戦1勝)、総収得賞金は6億4361万800円。現在はすでに、新冠町のビッグレッドファームで功労馬として余生を送っている。

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