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ホッカイドウ競馬開幕、初日は計画を上回る売り上げ

2010年04月29日 14時45分

2010年度のホッカイドウ競馬が4月28日、馬産地・日高町の門別競馬場で開幕した。この日は強風と冷たい雨に見舞われるあいにくの天候となったが、800人を超えるファンが来場。約5カ月ぶりとなる「グランシャリオナイター」に熱い声援を送った。初日の売り上げは前年対比4.8%増の1億3991万7200円を記録。計画対比でも1.6%上回る幸先のよいスタートを切った。
約242億円の累積赤字を抱え、存続の危機にある同競馬。本年度は北海道が策定した「北海道競馬改革ビジョン」に基づく最終年となる。存続のための条件は単年度の赤字脱却と収支均衡達成。前年度から競馬の運営を行うHRA北海道軽種馬振興公社は目標達成に向け、徹底したコスト削減と運営改善を図った。
本年度の競馬開催は前年より2日間少ない、11月18日までの15開催80日間。経費削減のため札幌競馬場での開催を休止し、すべて門別競馬場でのナイター開催とした。さらに中京、関西圏のスポーツ紙にレース情報を掲載。インターネット販売による売上拡大を打ち出した。また、来場するファンのために施設もリニューアル。「とねっこ広場」には北海道馬主会寄贈の遊具や、ジンギスカンが楽しめる3棟の「グリルハウス」、地元洋菓子店のウッドデッキオープンカフェを設置。「ポラリス☆ドーム」横には軽食を楽しみながらパドック観戦できる「ポラリス☆デッキ」も新設した。
正念場を迎えた本年度の開幕初日。午後2時の開門には地元日高町の民間支援グループ「ホッカイドウ競馬を応援する会」のメンバーや、門別トレセン内婦人部員らがファンを出迎えた。また、「とねっこ広場」では「ひだか特産市」をオープン。日高管内の海産物や野菜を格安で販売し、開幕に彩を添えた。
ナイター照明が点灯した7レースでは、日本一早い2歳新馬戦「JRA認定スーパーフレッシュチャレンジ」(D1200m)を実施。通常の約2倍にあたる1着賞金300万円を懸け、11頭が顔を揃えた。レースでは好位から直線抜け出したアッミラーレ産駒のパフォーマンス(牡2歳、田中正二厩舎)が4馬身差で快勝。圧倒的なパフォーマンスを見せ、08年生産馬7378頭の中で最初の勝ち名乗りを挙げた。口取り写真には、本年度から装いを変えたサポーターズクラブの会員も参加。指名したサポート騎手の川島洋人騎手とともに写真に収まった。
競馬場に足を運んだ日高町の牧場関係者は「ホッカイドウ競馬の存続を願う意味もあり、見に来ました。頑張ってほしいですね」とエール。開幕を見届けた井村勝昭HRA専務は「寒い中、多くのお客様に来ていただき感謝しています。お陰様で1レースから良い数字を残すことができました」と笑顔を見せていた。本年度の売上目標は前年度比4億円増の119億5000万円。ハードルは高いが、井村専務は「何としても達成します。見ていてください」と力強く語った。
同競馬では5月5日まで「春のケイバまつり」を開催。入場無料で様々なイベントが行われる。4日には午後5時からコスモバルクの引退式を実施。道内のみならず全国のファンに勇気と希望を与えた“ホッカイドウ競馬の星”が最後の雄姿を見せる予定だ。

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