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「セレクトセール2009」開催、1歳は売り上げ増も当歳は苦戦

2009年07月17日 17時08分

国内外の競馬関係者が注目する日本最大のセリ、JRHA日本競走馬協会主催の「セレクトセール2009」が7月13、14、15日、苫小牧市のノーザンホースパーク特設会場で開催された。3日間で合計476頭が上場され、329頭が売却。売却総額は79億9323万円、売却率は69.1%、平均価格は2429万5532円で、前年と比べると総額が約21億8000万円減少、売却率が1.2ポイントマイナス、平均価格が約680万円減少と、すべて下回る結果に終わった。
初日に行われたのは1歳市場。156頭が上場され、122頭が売却された。売却総額は28億3437万円、売却率は78.2%、平均価格は2323万2541円。前年と比べ平均価格は24万円ほど減少したが、総額は約3億7000万円増、売却率も8.7ポイントプラスとなった。
最高価格は、2007年のJRA年度代表馬アドマイヤムーンを半兄に持つ、マイケイティーズの2008(牡、父ロックオブジブラルタル、販売申込者/安平町・(有)ノーザンレーシング)で1億5225万円。活発な競り合いの末、新冠町の(有)ビッグレッドファームが落札した。以下、G1エリザベス女王杯勝ち馬フサイチパンドラの半弟にあたる、ロッタレースの2008(牡、父ディープインパクト)が1億2075万円、JRA最優秀2歳牡馬フサイチリシャールの半弟にあたる、フサイチエアデールの2008(牡、父シンボリクリスエス)が1億500万円と続き、この日は3頭が“K点越え”を果たした。
種牡馬別では、先月急逝したアグネスタキオンがトップ。希少となった産駒に人気が集中し、15頭中14頭が売却され、総額4億2577万5000円を売り上げた。2位は初年度産駒からダービー馬を輩出したネオユニヴァースで2億7037万5000円。上場馬9頭すべてが売却された。また、トップバイヤーは8頭を総額2億5935万円で購買した佐々木完二氏。トップコンサイナーは35頭を総額11億5920万円で売却したノーザンファームだった。
一方、14、15日に行われた当歳市場では320頭が上場され、207頭が売却された。売却総額は51億5886万円、売却率は64.7%、平均価格は2492万2029円で、前年と比べ総額が約25億4700万円減少、売却率が6ポイント減、平均価格も約980万円下がり、すべてマイナスに転じた。
最高価格は、日本競馬21世紀最強馬と称されるディープインパクトの半弟にあたる、ウインドインハーヘアの2009(牡、父ダイワメジャー、販売申込者/安平町・ノーザンファーム)で1億7325万円。激しい争奪戦の結果、“トーセン”の冠名で知られる宮城県の島川隆哉氏が競り落とした。島川氏は同馬のほか、エヴリウィスパーの2009(牡、父ディープインパクト)を1億6275万円、マイケイティーズの2009(牡、父シンボリクリスエス)を1億3125万円と3頭の“ミリオンホース”を含め、合計13頭を総額6億1320万円で購買。圧倒的な存在感を示し、トップバイヤーとなった。
種牡馬別では、21頭で総額8億3895万円を記録したディープインパクトがトップ。セレクトセール初登場組では、ダイワメジャーが29頭中19頭を売却したが、アドマイヤムーンは13頭中5頭の売却に止まり、明暗を分けた。また、トップコンサイナーは1歳セールに続きノーザンファーム。44頭を総額14億17万5000円で売却した。
セール後、吉田照哉JRHA副会長は「現在の経済情勢を考えれば妥当な結果、あるべき姿だと思う。価格は落ちたが売却率はそれほど変わっていない」と納得の表情。1歳が活況で当歳が振るわなかったことについては、「世界標準と同じように1歳市場が主流になるきっかけになったのではないか」と、時代の流れに対応する構えを見せていた。(※金額はすべて税込み)

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