現地時間9月14日、仏ロンシャン競馬場でG1ヴェルメーユ賞(3歳上牝、芝2400m、12頭)が行われ、1番人気のザルカヴァ Zarkava(牝3、A.ロワイユ-デュプレ厩舎、C.スミヨン騎手)が優勝した。勝ち時計は2分26秒0、馬場状態は Bon(稍良)だった。
ここまでデビューから5連勝(うちG1・3勝)で、しかも器の違いを見せつける圧勝続きだったザルカヴァは、このレースの前からブックメーカー各社によるG1凱旋門賞(10/5、ロンシャン、芝2400m)の前売りで本命視されていたが、この一戦でそのポジションをより確たるものとした。
スタートで立ち遅れて最後方からの競馬となったザルカヴァだったが、直線で強烈な末脚を披露。他11頭を大外からまとめて飲み込み、印象的な勝利を収めた。ここは6月のG1ディアヌ賞(仏オークス)以来の休み明けで、レース前は調教の動きが重いという報道もなされていたが、終わってみればそれもただの杞憂。むしろ、本番に向けて上積みが見込めるという期待材料へと変わった。
デビュー6連勝、G1・4勝目を挙げたザルカヴァは、父ザミンダー Zamindar(G3カブール賞勝ち馬、その父ゴーンウエスト Gone West、全欧最優秀2歳牡馬ザフォニック Zafonic の全弟)、母ザルカシャ Zarkasha、母の父カヤージ Kahyasi という血統の愛国産馬。堂々の本命馬としてG1凱旋門賞へ向かう。
なお、この日に同じ舞台で行われたG2ニエル賞(3歳牡牝)は、仏ダービー馬ヴィジオンデタ Vision D'Etat (牡3、E.リボー厩舎、I.メンディザバル騎手)が2分27秒4で、G2フォワ賞(4歳上牡牝)は、ザンベージサン Zambezi Sun(牡4、P.バリー厩舎、S.パスキエ騎手)が2分28秒8で、それぞれ優勝した。
G2ニエル賞を制したヴィジオンデタは、父チチカステナンゴ Chichicastenango(G1パリ大賞、G1リュパン賞)、母ウベラバ Uberaba、母の父ガルドロワイヤル Garde Royale という血統の仏国産馬。ザルカヴァほどの派手さはないが、こちらも通算成績は6戦6勝。6月のG1ジョッキークラブ賞(仏ダービー)に続く重賞2勝目となる。陣営は「まだ状態は85%くらい」と現地マスコミに話していることから、G1凱旋門賞でのさらなるプラスアルファが期待できそう。
G2フォワ賞を制したザンベージサンは、父ダンジリ Dansili(一昨年の凱旋門賞馬レイルリンク Rail Linkの父)、母インババラ Imbabala、母の父ザフォニックという血統の英国産馬。通算成績は10戦4勝で、初重賞・初G1制覇となった昨年6月のG1パリ大賞以来となる久々の勝利を挙げた。ただし、昨年のG1凱旋門賞で8着と大敗を喫していることから、今年も苦しいと見る向きが多い。