現地時間9月13日、米ニュージャージー州モンマスパーク競馬場でG外モンマスS(3歳上、芝9F、9頭)が行われ、2冠馬ビッグブラウン Big Brown(牡3、R.ダトロー厩舎、K.デザーモ騎手)が勝利を収めた。勝ち時計は1分47秒41、馬場状態は Good(稍良)だった。
ビッグブラウンは8月にモンマスパーク競馬場のG1ハスケル招待Hを制した後、最大目標のG1BCクラシック(10/25、サンタアニタ、AW10F)に向けてどの前哨戦を使うかが注目されていた。
馬主であるIEAHステーブルの共同所有者マイケル・イアヴァロン氏は、オールウェザーでは芝で実績を残している馬の活躍が目立つことから、ダートよりも芝のレースがステップとして適切と考えていた。ただし、本番との間隔を十分に取りたいという、もうひとつの意向も同時に満たすレースが当初は見当たらない状態だった。
そこで、いくつもの競馬場がビッグブラウンのためのレース条件と高額賞金を用意し、2冠馬招致に手を挙げた。その中から陣営がチョイスしたのは、前走と同じモンマスパーク競馬場。同競馬場は、総賞金20万ドルのレースとしてこのモンマスSを新設。さらに、ビッグブラウンが実際に出走した場合はそれを50万ドルに上積みするという条件を提示していた。
他にモンマスパーク競馬場の申し出を上回る額のオファーはあったが、あえてこのレースを選んだ理由としてイアヴァロン氏は、前走G1ハスケル招待Sの際、競馬場の雰囲気がとても良かったという点(観衆は約4万5千人、当日の馬券売上額は昨秋のBC開催2日間に次ぐ史上3位を記録)を挙げている。また、オーナーグループの何人かがニュージャージー州在住であることも決断を後押ししたようだ。
今回のレースでは前走ほどの観衆は集められなかったものの、それでも約1万7千人が競馬場に押しかけ、ビッグブラウンを単勝1.6倍の1番人気で出迎えた。
ビッグブラウンはスタートしてすぐにハナへ。道中は伏兵ゲットシリアス Get Serious(7着)に絡まれる場面もあったが、これを振り切って先頭で直線に。好位から脚を伸ばした2番人気のプラウディンスキー Proudinsky(重賞2勝)が詰め寄ってきたが、これをクビ差抑えた。やや辛勝ではあったが、しっかりと人気に応えた。
勝ったビッグブラウンは、父バウンダリー Boundary、母ミエン Mien(母の父ヌレエフ Nureyev)という血統の米国産馬で、通算成績は8戦7勝(うちG1・4勝)。芝でのレースは2歳9月のデビュー戦(11-1/4馬身差の圧勝)以来だった。この後はG1BCクラシックに向け、ニューヨーク州アケダクト競馬場で調整され、直前輸送で大一番に臨むという。
なお、先日G1ウッドワードSでG1・6勝目を挙げた古馬の雄カーリン Curlin は、ダートのG1ジョッキークラブゴールドカップ(9/27、ベルモント、ダ10F)出走が決定した。G1BCクラシックへの出否は、このレースの後に決められることになりそうだ。