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米セリで繁殖牝馬落札額レコード誕生

2007年11月07日 10時42分

現地時間11月5日、米ケンタッキー州キーンランドで行われたノヴェンバー・ブリーディング・ストック・セールの初日に上場された繁殖牝馬プレイフルアクト Playful Act(牝5)が、セリ市場で取引された繁殖牝馬としては史上最高額となる1050万ドル(約12億円)で落札された。
プレイフルアクトは父サドラーズウェルズ Sadler's Wells、母マグニフィシェントスタイル Magnificient Style(母の父シルヴァーホーク Silver Hawk)という血統の愛国産馬。英愛で競走生活を送り、2~3歳時8戦4勝。2歳時に英G1フィリーズマイルを制したほか、G2を2勝しており、G1愛オークス2着の実績もある。
母マグニフィシェントスタイルは英G3ミュージドラSの覇者で、プレイフルアクトの他にも、エコーズインエタニティ Echoes in Eternity(英G2サンチャリオットS、英G2パークヒルS)、パーカッショニスト Percussionist(英G2ヨークシャーカップ、G3英ダービートライアル)と、2頭の重賞勝ち馬を産んでいる。
また、近親にはサイベリアンサマー Siberian Summer(米G1ストラブS)、輸入種牡馬のシルヴァーエンディングUSA(米G1ペガサスH)などがいる。
プレイフルアクト自身は06年に繁殖入り。今年春に初仔となる牝馬(父ジャイアンツコーズウェイ Giant's Causeway)を出産した。今年はキングマンボ Kingmambo が配合されたが、残念ながら流産している。
競走実績も血統背景も一流ではあるが、現在空胎ということもあり、1050万ドルはさすがに高過ぎるのではないか、というのが大方の見方である。
この破格の落札額を呼んだ要因は、例によってダーレーVSクールモアの競り合い。今回の争いを制したのはダーレーで、その代理人であるジョン・ファーガソン氏は、同グループ総帥のモハメド殿下がプレイフルアクトの落札を熱望したことを明らかにしている。
プレイフルアクトをこれまで所有していたのは、クールモアの創始者でもある故ロバート・サングスター氏(04年に死去)が所有していたスウェッテナムスタッド。今年夏に遺族がそのサラブレッド資産の整理を決断したことから、プレイフルアクトもこのセリに上場されることになったという経緯がある。
ファーガソン氏によると、モハメド殿下にとってサングスター氏は偉大な友人であり、大いに敬意を抱いていたとのこと。同氏は、殿下がプレイフルアクトの落札にこだわった理由のひとつはそこにあると思う、とも語っている。
なお、従前のセリ市繁殖牝馬最高落札額の記録は、昨年11月の英タタソールズ・ディセンバー・ブリーディング・ストック・セールで取引されたマジカルロマンス Magical Romance(牝4=当時、父バラシア Barathea、ピヴォタル Pivotalを受胎)で、460万ギニー(約935万ドル、約10億8600万円)だった。

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