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一番を制したのはカーリン!/BCクラシック

2007年11月01日 10時39分

現地時間10月27日、米ニュージャージー州モンマスパーク競馬場でG1ブリーダーズカップクラシック(ダ10ハロン、3歳上、9頭)が行われ、4番人気のカーリン Curlin(牡3、米S.アスムッセン厩舎、R.アルバラード騎手)が優勝した。勝ち時計は2分0秒59、馬場状態は Sloppy(不良)だった。
9頭という少頭数ながら、今年の米国競馬の総決算に相応しいメンバーが揃った一戦。最終的に1番人気(3.5倍)の支持を受けたのはケンタッキーダービー馬ストリートセンス Street Sense。古馬の雄ローヤーロン Lawyer Ron と上昇馬エニーギヴンサタデー Any Given Saturday が4.9倍で並んで2番人気。カーリンは5.4倍の4番人気だった。
大方の予想通り、レースを先導したのは前走G2ケンタッキーカップクラシックでストリートセンスを下したハードスパン Hard Spun(単9.1倍、5番人気)。ローヤーロンが差なく続き、伏兵ダイヤモンドストライプス Diamond Stripes を挟んでエニーギヴンサタデーは4番手。これに欧州から参戦したジョージワシントン George Washington が加わり、先行集団を形成。カーリンとストリートセンスはこの集団から8馬身ほど離れ、6番手と7番手で並んで追走した。
最終コーナーを迎える前に、快調に逃げ脚を伸ばすハードスパン以外の先行馬は続々と脚色が鈍り出して脱落。代わってカーリンとストリートセンスがグングンと追い上げ、直線入口では完全に3頭の争いとなった。
ハードスパンが二の脚を繰り出して突き放しにかかったが、カーリンは持ち味である確実な末脚をここで存分に発揮。ハードスパンを捉えて差を広げる。ストリートセンスは不良馬場が応えたか、思いのほか伸びず失速。最終的にはカーリンがハードスパンに4馬身半の差をつけて圧勝した。
ストリートセンスは後方からのレースに徹した最低人気のオーサムジェム Awesome Gem に差されて4着。西海岸の前哨戦G1グッドウッドSを制した3歳馬ティアゴは最後方から一発を狙ったが5着。その後はエニーギヴンサタデー、ローヤーロン、ダイヤモンドストライプスと先行してバテた組が順に続いた。
昨年の欧州最優秀3歳牡馬ジョージワシントンは、折からの豪雨で泥田と化したダートに終始苦しみ、先行集団から最初に脱落。さらに直線で右前の管骨を開放骨折、同時に球節を脱臼、近位・遠位の種子骨も骨折という重傷を負って競走中止。全く手の施しようがなく、残念ながら安楽死処分。同馬が今春種牡馬から現役復帰したことを考えれば、悲劇的としかいいようがない結末となってしまった。
勝ったカーリンは父スマートストライク Smart Strike、母シェリフスデピュティ Sherriff's Deputy(母の父デピュティミニスター Deputy Minister)の米国産馬で、通算9戦6勝。G1プリークネスS、前走G1ジョッキークラブゴールドカップSに続く3つ目のG1タイトルを手にし、今年の年度代表馬に推す声も高まっている。
カーリンを管理するスティーヴ・アスムッセン調教師は「すでにこの馬の能力は全て証明してみせた」とレース後に語っており、今季限りでの現役引退も示唆しているが、正式な発表はまだない。
2着のハードスパンと4着のストリートセンスはこれで現役を退き、米ケンタッキー州のダーレースタッドで種牡馬入りする。種付け料は、ハードスパンが5万ドル(約575万円)、ストリートセンスが7万5千ドル(約860万円)と発表されている。
同様にダーレーが種牡馬として供用する権利を獲得済みのエニーギヴンサタデー(6着)については、まだプランが明らかにされておらず、現役続行の可能性もある。3着オーサムジェム、5着ティアゴの両頭は現役続行。7着のローヤーロンの今後は未定となっている。

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