ニュース

海外

“キングジョージ”はディラントーマスが完勝

2007年08月01日 12時10分

現地時間7月28日、英アスコット競馬場でG1キングジョージ六世&クイーンエリザベスS(芝12ハロン、3歳上、7頭)が行われ、1番人気のディラントーマス Dylan Thomas(牡4、愛A.オブライエン厩舎、J.ムルタ騎手)が優勝した。勝ち時計は2分31秒11、馬場状態は Good to Soft(稍重)だった。
今年の“キングジョージ”は当初の想定より大分インパクトに欠けるメンバー構成となった。
G1ジャックルマロワ賞に向かうことを選んだマンデュロ Manduro に続き、英ダービー馬オーソライズド Authorized が目標をG1凱旋門賞に切り替え、このレースを回避したのである。
さらに、愛ダービーを楽勝したソルジャーオブフォーチュン Soldier of Fortune も、同じオブライエン厩舎所属で、クールモアグループの所有馬である先輩2頭(ディラントーマス、スコーピオン Scorpion)に譲る形で出走を取りやめ、休養に入った。
最終的に単勝2.25倍の1番人気に推されたディラントーマスは、後方からレースを進め、直線では大きく抜け出して完勝。4馬身差の2着に昨年の独G1ヨーロッパ賞の覇者ユームザイン Youmzain、さらに3馬身半差の3着に前走同距離同コースのG2ハードウィックSを制していたマラーヘル Maraahel が入った。
一昨年の英セントレジャー馬で、今年もG1コロネーションCを制したスコーピオンは、単勝4倍の2番人気に推されたが、勝ち馬から11馬身離された5着に敗れている。
ディラントーマスは父デインヒル、母ラグリオン Lagrion(母の父ダイイシス Diesis)の愛国産馬で、通算成績は15戦8勝。G1タイトルは昨年のG1愛ダービー、G1愛チャンピオンS、今年の仏G1ガネー賞に続き4つ目となった。
4月にG1ガネー賞を制した後、前々走の愛G1タタソールズゴールドCではノットナウケートー Notnowcato に頭差の2着、前走のG1プリンスオブウェールズSではマンデュロの1-1/4馬身差の2着と、もう一歩足りない競馬が続いたが、このメンバーでは力が違うところを見せつけた。
なお、昨年までのレース名は「キングジョージ六世&クイーンエリザベス『ダイヤモンド』S」だったが、今年からスポンサーであったデビアス社(宝石商)が降りたため、「キングジョージ六世&クイーンエリザベスS」となった。
出走メンバーが揃わなかったことも踏まえて、伝統の“キングジョージ”も見直しの時期、という声が一部では挙がっているが、それとは別に、ディラントーマスが強い勝ち方を見せたことは大いに評価されている。
他にも有力馬を多数抱えるオブライエン&クールモア勢との兼ね合いもあり、次走はまだ未定だが、その動向にはこれまで以上に世間の耳目が集まりそうだ。

ニュース一覧

  • 全て
  • 中央
  • 地方
  • 海外
 

上へ